日本赤十字北海道看護大学災害対策教育センター設立一周年記念講演会を開催しました。
本学災害対策教育センターの設立一周年記念として、平成28年7月15日(金)に東北大学病院・教授・石井正先生をお招きして、「石巻医療圏における東日本大震災への対応と次への取り組み」と題して講演会を開催しました。一般市民の皆様をはじめ学生ならびに教職員あわせて197人が参加し、石井先生の講演に耳を傾けました。
まず、石井先生が勤務していた石巻赤十字病院では、災害マニュアルを現実的な内容への変更、災害時に立ち上げる部署の責任者を実名で決めるなど指揮系統の明確化、年2回程度の防災訓練を実施し大きな災害に備えていた。また、大きな災害に備えて個人的な友人による民間企業との協定を結んでいたとお話ししました。
東日本大震災発生直後は、石巻赤十字病院では、訓練のおかげで1時間以内に初動体制を整え、トリアージの展開ができたこと、民間企業との協定のおかげで通信機能回復やテント手配ができたことを映像やスライドを交えてお話ししました。
震災後は、避難所の状況把握などの情報収集の実施、日本赤十字社や支援に来た病院や学会などで立ち上げたチームによる医療の対応など震災への取り組みについてお話ししました。
講演会のまとめとして、災害時では、通常の医療ができるような体制作りとあらゆるデータを回収し客観的に状況を把握する必要があることから災害時の体制が短い時間でできるようなマニュアルや情報通信基盤をつくること、関連機関との連携が大切である事をお話ししました。最後に、日本赤十字社の災害時での活動は抜きんでていることと日本赤十字社と行政などその他の組織との協力が大切であるとお話になり、大変好評のうちに、講演会は終了しました。
この講演会に参加された皆様には、災害が発生したときにどのように対応すべきか考える良い機会になれば幸いです。